複合酸化物材料事業(SOFC/SOEC)
次世代のエネルギーソリューションとして注目されるSOFC(固体酸化物燃料電池)およびSOEC(固体酸化物電解セル)向けの複合酸化物を取り扱っています。環境に優しく高効率なエネルギー変換を実現するために、高機能材料を提供し、これらの技術の普及と進化をサポートしています。
複合酸化物の基本情報
複合酸化物は、2種類以上の金属元素が組み合わされた化合物で、様々な物理的・化学的特性を持つ材料です。複合酸化物は耐久性、電気伝導性、熱安定性などに優れ、様々な産業分野で利用されています。特に、エネルギー変換装置や触媒、センサーなどの高機能材料として大きな役割を果たしています。
当社のSOFC・SOEC向け複合酸化物材料
AGCセイミケミカルの複合酸化物材料は、主にSOFCおよびSOECのアノード、カソード、インターレイヤー等の性能向上のために使用されます。当社の複合酸化物材料は、最先端のセラミックス粉末技術を用いて開発されており、SOC(固体酸化物セル)において高い発電および水電解効率の実現が可能です。
【SOFC/SOEC材料】
材料の一例 | |
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標準試薬 | LSCF6428、GDC10 |
その他材料例 | LSCF、LSM、LSC、NiO-GDC、NiO-SDC、SDC、GDC、MnCo |
*標準試薬は即納可能
当社製品の特長
当社の複合酸化物材料は、クエン酸塩法による偏析の少ない材料を特長としています。また当社は、優れた粉体制御技術と、多様な元素組成の取扱い実績、金属元素の置換によるドーピング技術を有しています。
優れた組成均一性
当社の複合酸化物材料は、均一で偏析の少ない粉体であり、不純物の含有量も極めて少ないため、お客様から高い評価を得ています。

高度な組成制御技術
当社は、多様な元素の組み合わせによる組成制御に実績があり、微量添加による金属元素の置換やドープが可能です。
優れた粉体特性
当社の技術は、比表面積と粒度分布のコントロールに優れます。同じ粒径サイズで広範な比表面積の粉体を提供することで、お客様のご要望にお応えします。
【粒度/比表面積の例:LSM(LaxSr1-xMnO3-δ】
当社の強み
当社は、クエン酸塩法による長年にわたる技術の蓄積と量産実績があります。
クエン酸塩法とは?
クエン酸塩法とは液相合成法の一種で、金属化合物にクエン酸を反応させ、金属がキレート化された前駆体を得ることに特徴があります。

クエン酸塩法の特長
クエン酸塩法により得られた前駆体を焼成することにより合成された複合酸化物は、他の合成法すなわち固相反応法や一部の共沈法と同様に、組成の制御が容易なだけでなく、均一で定量的な金属元素の添加が可能です。原理的にはこの複合酸化物の組成のずれはなく均質な粉体を得ることができる優れた合成方法でもあります。
【LaSrCoFe粉末】
当社製品の活用事例
当社製品は、家庭用燃料電池、産業用燃料電池向けの複合酸化物材料として、アノード、カソード、インターレイヤー等に2010年代より採用実績があります。
お問い合わせ
少量のサンプル提供から量産(トンオーダー)まで、幅広くお客様のご要望に対応しております。組成や粉体物性(粒度/比表面積)のカスタマイズ対応についても、お気軽にお問い合わせください。
*なお、SOFC・SOEC向けに限らず、その他用途向け複合酸化物材料についてもまずはご相談ください。